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戦争・詩的想像力・倫理

編著者 伊達直之、 堀真理子、佐藤亨、外岡尚美
刊行年月日 2016年3月30日
出版社 水声社
価 格 3,500円
プロジェクト名 現代詩・演劇と戦争・紛争・災害──癒しの倫理と表現の探求
所属研究部 人文科学研究部
目 次
  • まえがき
  • 一九二〇年代建国期のアベイ劇場──ロビンソン、オケイシー、イェイツと戦争の記憶
  • 黙示録的時代を見据えて──第二次世界大戦後のサミュエル・ベケット
  • 北アイルランド紛争とギリシア悲劇──シェイマス・ヒーニー『トロイの癒し──ソポクレス「ピロクテテス」一変奏』をめぐって
  • 痛みの唯物性について──イラク戦争とアメリカ演劇の<倫理>を問う
  • あとがき
紹介文  本書は欧米の演劇作品から、20~21世紀の戦争がおこした戦中・戦後のトラウマ的状況にあって、困難と抑圧の状況に向き合う姿勢、 その乗り越えを描いてきた著名な作品や試みを選びだした上で、その作品の意義を「癒し」への希求とこれを統御する「倫理」の視点から問い直したものである。
 「癒し」とこれを巡るさまざまの立場からの「倫理」的正しさの判断は、時に激しく相克し暴力的な緊張関係にも発展する。 20世紀の前半から21世紀の初頭までを4つの時期に分けて俯瞰しつつ、時代と国々の個別のコンテクストを精読して得られた知見は、戦争やテロの困難な暴力的現実に対峙する、 現代の我々の判断と行動にも大きな示唆を与えると考える。